掲示板 (ご自由に投稿)
掲示板
投稿者 高野弘幸
作成日 2018-04-04 (水) 22:48
ㆍ照会: 196  
詩集「蒲柳の質に産まれ来て」第一部

春の気配は陽射しのなかに

春の気配は陽射しのなかに

つぼみのなかに

小鳥のきらめきに

そっと安らいでいる

 

春の気配は出かけていく足音に

木の芽のきざしに

遠い山の麓に

旅する人を待っている

 

春の気配は子どもの口笛に

赤い自転車の響きに

鳩の胸のふくらみに

しだいにこみあげてくる

 

おんば日傘で大きくなって

おんば日傘で大きくなって

人並みの労苦をし

世間しらずと言われながら

誰にも媚びず

六十余年の月日が流れた

人に勝とうと思わなければ

日々の暮らしは立つ

おんば日傘で大きくなって

 

My favorite things 2

白みゆく山の端

朝のブラックコーヒーの香り

ラム酒入りチョコレート

ハクセキレイの散歩

そびえ立つ樹木のシンフォニー

 

クロード・モネの絵画

親切な看護師のいる病院を出て

潮にさらされた貝殻を見つけ

緑から落ちかける雫

野薔薇咲く道

菜種の花の波のざわめき

鶯の谷渡り

They are my favorite things

 

私のハックルベリー時代

蜘蛛の巣だらけの教室の天井裏

78人並んでビンタを食らった

缶詰めのランチは田園のなか

ザリガニを焼いて食った

銃撃戦の原っぱ

 

ダンプに危く衝突 赤信号で渡り

Tシャツにバンパーの筋が残り

野原をどこまでも歩き

屠殺場だった板塀の建物に牛の首

あのころの悪童の友人たち

思い出す ロッキングチェアに座し

 

明日は土曜日―町のスケッチ―

梅の花が咲き染め

子どもたちのスキップ

春めく陽射しに照らされて

女たちの顔が輝いて見える

街並みに取り残されて

古い建物が寂しがっている

風はまだ寒い・・・・・

 

ハート、ジョーカー、スペードのジャック

持ち札が少なくなってきた

ハート、ジョーカー、スペードのジャック

男たち 女たちが見えてきた

ハート、ジョーカー、スペードのジャック

自然が美しく見える

ハート、ジョーカー、スペードのジャック

この世界に輝きを求め

ハート、ジョーカー、スペードのジャック

 


門がある

草原の彼方

門がある

なかには何でもあった

壜の中のオルゴール人形

ドメニコ・サビオの立像

サージェント・ペッパーのアルバム

朔太郎の肖像画

全共闘の赤いヘルメット

メデューサの首

飛び立った後の鳥籠

サマー・キャンプの焼き板

卒業論文集

サン・テグジュベリのフランス紙幣

一揃いのブルースハープ

金色の置時計

猫が飛び出した

ぴんと立てたしっぽに先に

三日月が霞んで見える

 

 

名前のない川

名前のない川に

思い出は降る星のように

そのきらめきのひとつひとつが

昼夜を分かたず去って行く

何という困難があったことだろう

 

名前のない川の向う岸

純白の霧の中に包まれた菜の花畑

モンシロチョウが飛んでいる

失われたさまざまの夢がまたたいている

私が歌った遠い調べ

 

名前のない川に

また春が来て

長い物語を語りはじめる

私はひとつの矜持を持って

その物語を聴きはじめるだろう

 

闇の翼が降りてくる前に

四方(よも)の景色は明るく輝き

四季の水車が静かに巡り

何処からか聞こえてくる笛の音

が紫に染まり

 

花を摘みに行こう

未来を信じ

平和よ おのずからくだれ

 

サフラン色の空の窓に向かって

小さな愛の火をともし

心の悲しみが堆肥となって

蒔いた種が大地に根を下ろし

巨木に育つまで

 

春のコラージュ

病む人よ、窓を開けよ

長く厳しい冬が去って

やっと春が来た

陽射しに そよ風に 空を引き裂く小鳥の声に

ごらん 遊ぶ子どもたちは天使のようだ

重い世の流れとは裏腹に

伸びをする老人一人春の道

幸せのレールを敷こう

冬が来る前に

 

恋は美しい錯覚

運命の出会い

うたかたの別れ

恋は美しい錯覚

つかのまの麻薬 媚薬

あらゆる小説に書かれていること

情熱は燃え 去っていく

花は咲き 花は散ってゆく

思い出は淡く悲しく

 

森に囲まれた一軒の家

森に囲まれた一軒の家に住み

野菜を作り

犬を連れて湖に釣りに行く

空を見て絵を描き

夜には「月光」「悲愴」「熱情」を聴く

世のわずらわしさから離れた隠れ家

 

一年草の花のように

一年草の花のように

通り過ぎた夏は せつなく甘い

金の(くさび)を打ち込んで 時の流れを止めてみたい

時の裂け目の向うには 見たこともない愛の国

があるかも知れない

 

 

悲しさと優しさと

あなたの白く細く長い指には

表情があった

 

ミモザの花咲くとき

ミモザがとぎれとぎれに

山の端を薄黄色に染めている

 

ミモザよ おまえは私の孤独な心がわかるのか

ミモザよ おまえは悲しい心を映すのか

 

ミモザよ 咲いておくれ

たとえ人間がどのようなものであっても

 

夕暮れの坂道でミモザに別れを告げた

 

桜の園

存在の羽毛のような軽さ

花吹雪

飛び立つ鳥

果てしない女たち

 

ああ もうどこかで樹を切る音が聞こえる

 

 

番号     タイトル  投稿者 作成日 照会
4207 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-26 32
4206 「オレンジゴスペル」を知ってください!自殺願望から私を救.. 高野弘幸 2018-09-25 41
4205 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-25 2
4204 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-24 43
4203 オルガンを弾きなさい 高野弘幸 2018-09-23 24
4202 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-23 3
4201 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-22 36
4200 三宮麻由子「鳥が教えてくれた空」 高野弘幸 2018-09-21 19
4199 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-21 4
4198 昭和のアルバム-ソネット- 高野弘幸 2018-09-20 23
4197 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-20 8
4196 トラウマの治療EMDR 高野弘幸 2018-09-19 13
4195 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-19 12
4194 タガナの農場 高野弘幸 2018-09-18 35
4193 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-18 5
4192 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-17 45
4191 郵便配達は二度ベルを鳴らす 高野弘幸 2018-09-16 15
4190 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-16 23
4189 燃え尽き症候群 高野弘幸 2018-09-15 50
4188 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-15 14
4187 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-14 41
4186 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-13 14
4185 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-12 19
4184 白馬岳の思い出 高野弘幸 2018-09-11 10
4183 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-11 7
4182 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-10 16
4181 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-09 16
4180 訂正 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-08 33
4179 今日のみことばと私の祈り 高野弘幸 2018-09-08 6
4178 不登校の親のためのカウンセリング 高野弘幸 2018-09-07 39
12345678910,,,141
 
     
  〒659-0012 兵庫県芦屋市朝日ヶ丘町 10-35-504
TEL:090-3945-3373 / FAX:0797-38-6868
Copyright(c)2013 レホボト・ジャパン All rights reserved.